ダイエットに失敗してしまう5つの原因

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ダイエットに必ず失敗してしまう5つの原因

ダイエットをすると、最初の2〜5kgは比較的簡単に落ちるのに、その次の2〜5kgを落とすのはずっと難しい。みなさんの多くがダイエットでこうした状況を経験しているはずです。そして更に2〜5kgを落とすことは、ほとんどの人が諦めてしまいます。それどころか、逆に元の体重以上にリバウンドしてしまう人もいます。

この現象は様々な科学論文でも扱われています。そうした論文の多くが、ダイエットする人の少なくとも3分の1程度の人は、減量した分以上に体重が増えてしまうという結論に至っています。

減量のためのダイエットは実際、将来の体重増加と肥満に関連しているとする研究も数多く存在します。実際、2011年のある研究レビューでは、人生のうちで減量を試みる回数が多ければ多いほど、体重がより増えているという結論を示しています。

この現象は、肥満ではない状態でダイエットを始めた人にとって特に深刻な問題のようです。研究によると、「通常体重」の人がダイエットしようとすると、ダイエットしない通常体重の人と比較すると、6年から15年の追跡調査期間中に体重を増加させるリスクが2倍となったことが示されています。

さらに、男性の優れた運動選手を対象とした研究では、ボクシング、ウェイトリフティング、レスリングなど体重別階級維持のために継続的に減量をする選手は、ダイエットの必要のない運動選手や一般の人々と比較すると、引退後に明らかに、より大幅な体重増加の傾向がみられました。

何故こうしたやる気も自制心もあるような人達でも、この様なことになってしまうのでしょうか?そして、私たちはそこから何を学ぶべきなのでしょうか?

体脂肪には「基準点」がある

専門家の間では、私たちの身体には体脂肪の一定の「基準点」があり、身体はそれを維持するように働くという説が広く受け入れられています。

この基準点は、自分が普段通りに食事をして維持される体脂肪レベルと考えてください。

体脂肪率が基準点を大幅に下回ったり、摂取カロリーを急激に減らしたりすると、身体は脂肪を落としにくいように適応します。逆に、この基準点を大幅に上回ると、身体はさらなる脂肪の蓄積が起こりにくいように適応します。

この身体の適応はどのようにして起こるのでしょうか?どうやら特定の一つのメカニズムに寄るものではないようです。

体脂肪率が下がったり、摂取カロリーが急激に減ったりすると、エネルギー消費、つまりカロリー摂取と消費のバランスに関連する全てのメカニズムに何らかの変化が起こるのです。この変化を一つずつ見てみましょう。

1. 代謝の変化:燃焼カロリーが下がる

摂取カロリーや体脂肪の減少が起こると、身体はエネルギーの消費を出来るだけ抑えなくてはならないと判断し、「安静時代謝」(何もしていない時でも勝手に消費されるカロリーのこと)を下げようとします。

さらには、体重の減少とともに、活動時の消費カロリーまでもが下がってしまうのです。

「ルームランナーのモニター上の消費カロリーが800キロカロリーだった」などと誰かが言うのを聞いたことがあるかもしれません。しかし、実際には800キロカロリーも消費してはいないと思われます。

そしてもしカロリー制限やダイエットをしているのなら、実際の消費カロリーはそれよりずっと少ないこともあるのです。まったくひどい話ですが、身体はそのようにできているのです。

2. 食物の変化:食事誘発性熱産生の低下

ダイエットをしている人の場合、さらに考慮すべきことがあります。食事誘発性熱産生(食べ物を食べている時に消費するカロリーのこと)に使われるカロリーは、通常1日の総消費カロリーのおよそ10パーセント程を占めるとされています。

しかし、ダイエットでカロリー摂取量が通常より少ない場合、この食事誘発性熱産生量も下がり、1日のカロリー消費量は通常考えているよりも少なくなります。

3. 細胞の変化:ミトコンドリアの変化

体重減少と食事カロリー制限への適応は身体全体に及びますが、最小の細胞単位でもこうした適応反応が起こります。細胞に含まれるミトコンドリアは脂肪を燃焼し、身体のエネルギー源となるアデノシン三リン酸(ATP)を生産します。

ミトコンドリアは細胞の“炉”に例えられることもありますが、摂取カロリー制限や体重減少が起こっている間、ミトコンドリアは、より少ない燃料消費でエネルギー源を生み出せるように適応しようとします。これは脂肪の減少には望ましい状態ではありません。

ミトコンドリアはなぜ突然、より少ない燃料消費でより多くのATPを作り出すことができるようになるのでしょうか?

この現象は、体重減少中に「脱共役たんぱく質が減る」現象である程度までは説明できそうです。

「脱共役たんぱく質」はミトコンドリアのATP生産の効率性を下げ、より多くのエネルギーを熱として放出します。脱共役たんぱく質は産熱性が高いため、脱共役たんぱく質が少ない場合、カロリー燃焼量は少なくなってしまいます。

4. ホルモンの変化:レプチンホルモンが減り、グレリンホルモンが増加する

ホルモンのシステムも代謝適応の影響を受けます。多くの研究者らは体脂肪の減少とは、「脂肪細胞数の減少」によるものではなく、「脂肪細胞のサイズが変化する」ことで起こると考えています。

体重が減少すると脂肪細胞は小さくなるため、脂肪細胞で産出されるレプチンというホルモンの分泌も減少します。レプチンは食欲の抑制、代謝率、そして代謝に関連する多くの事象を司るホルモンです。

言い方を換えれば、レプチンは脂肪減少と増加、その両方の鍵になっているのです。カロリー摂取が減ったり、体脂肪率が基準点より下がったりすると、脂肪細胞は小さくなり、レプチンの分泌も減ります。

興味深いことに、ダイエット後に体重が安定してからも、レプチンのレベルは脂肪減少量から予測されるより大幅に低くなることがいくつかの研究で示されています。

つまり、カロリー制限ダイエットは代謝率を大幅に下げることにつながり、体脂肪の基準点を引き上げてしまうということです。

対照的に、体重減少とカロリー制限ダイエットでグレリンというホルモンの分泌は増加します。

グレリンの分泌の上昇は食欲促進につながることが知られています。つまり、カロリー消費は少ないのに、食欲は増進してしまうのです。

5. 脂肪細胞の変化:数が増え、インスリン感受性が上がる

すでに述べたように、ダイエットをすると脂肪細胞の数は減らないものの、サイズが小さくなります。

しかし、ダイエット後に急激に食事量を増やすと小さな脂肪細胞が増加する可能性があるとする説があります。ダイエット後に少し体重が増えると、こうした小さな脂肪細胞が大きくなるのです。

その結果、いつもの体脂肪率の基準点に戻ると、以前にその体脂肪率であった時よりも、脂肪細胞のサイズは小さくても、数は増えていることになります。

そうすると、脂肪細胞が小さいことから体脂肪の基準点に達していないというシグナルが身体に送られ、レプチンのレベルも以前に同じ体脂肪率であった時よりも低くなってしまいます。そうなると、脂肪の増加は避けられません。

脂肪細胞で起こることはそれだけではありません。体重減少とカロリー制限ダイエットで脂肪細胞のインスリン感受性が高くなり、脂肪細胞への栄養貯蔵が促進されるのです。

こうした脂肪細胞の適応がダイエットの失敗やリバウンドの主な原因である可能性があります。

ダイエットを正しく開始し、正しく終了する

体脂肪の基準点を守ろうとする身体の防衛反応がいかに強力で頑固なものかよくお分かり頂けたかと思います。

カロリー制限ダイエットを行ったり、いつもの体脂肪率から大幅に落とそうとしたりすると、身体の脂肪貯蔵の働きを促進することになります。

体重減少後に起こりがちなこととはいえ、ダイエット後にドカ食いや食べ過ぎをしてしまうと、深刻な脂肪増加を招くことになってしまいます。

「では、ダイエットをしてはいけない?ダイエットをせずに今の体脂肪をどうしたら落とせる?」と誰もが考えることでしょう。私が強調したいのは、体脂肪を減らしてはいけないということではなく、ダイエットは正しい方法で行う必要があるということです。

そして、適切なリカバリーの過程とともに、ダイエットを正しく終えることもまた非常に大切です。


まとめ~

このように私達の身体は、摂取カロリーや体脂肪が減少すると、細胞、代謝、ホルモンの分泌を変化させることで、「生きるために必要なエネルギーの蓄えである体脂肪」が減りすぎてしまわないように働き出します。言わば身体が「省エネモード」に切り替わるということですね。

この身体の働きは原始時代、人間がまだ狩りをしている時に、いつまた餌にありつけるかがわからないため、少ない食事でもエネルギーを溜めておけるように身に付けられた身体の機能とも言われていますが、現代の安定的に食事が得られる飽食の時代では、この身体の機能がかえってダイエットの妨げになってしまう側面もあるということですね。

少し難しいので、もう一度「ダイエットが失敗してしまう5つの科学的原因」を簡単にまとめると、

1.体重を減らしたことと、摂取カロリーを減らしたことで起こる、安静時代謝と活動時代謝の減少。

2.摂取カロリーを減らすことによる食事誘発性熱産生(食べ物を食べている時に消費するカロリー)の減少。

3.「脱共役たんぱく質」の減少による、ミトコンドリアの変化(少ない燃料消費でエネルギーを生み出せるようになる)で起きる、カロリー消費の低下。

4.体脂肪の減少に伴う、レプチンホルモン(食欲を抑制する)の分泌の低下、及びカロリー制限によるグレリンホルモン(食欲を促進する)の増加。

5.ダイエット後に急激に食事量を増やすと脂肪細胞が増加し、また脂肪細胞そのものも栄養を取り込もうとする能力が促進されてしまう。

これらの身体に起きる変化が、ダイエットの停滞期やリバウンドを招き、ダイエット失敗につながってしまうことがあるというわけですね。

最後でも説明されている通り、これらの身体の適応を考えると、急速に体重を落とそうとする無理なダイエットや、ダイエット後の急激な食べ過ぎは科学的な観点からみても、より体脂肪をつきやすくしてしまうので特に注意を払っていきましょう!

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